アレルギー性鼻炎は鼻の中の粘膜に花粉やハウスダストなどのアレルギーの原因となる物質が付着することによりアレルギー反応を起こし、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」などの症状を起こします。鼻の中で主にアレルギー反応を起こすのは下鼻甲介といわれる粘膜です。この粘膜を変性縮小することによってアレルギー反応を軽減させます。焼灼する場所は同じなのですが用いる方法がレーザーを使うのか、アルゴンプラズマ(APC)を使うのか、トリクロール酢酸(TCA)を使うのかの違いです。
手術方法の比較
アルゴンプラズマ
中等症~重症の通年性アレルギー性鼻炎、スギ花粉症などに適しています。
- 焼灼時にエアロゾルが出る:新型コロナ流行時には危険を伴う
- 鼻水が少し出ていても焼灼可能
- 費用が安い:レーザー手術に比べ2/3程度の費用。
- レーザーに比べ少し効果が高い。
- 手術後の鼻水鼻詰まりは2週間程度つらい(特に最初の3日間鼻づまりが非常につらい)
- 効果の持続は6~24か月程度
トリクロール酢酸
軽症~中等症の通年性アレルギー性鼻炎、スギ花粉症などに適しています。
- 焼灼時にエアロゾルが出ない:新型コロナ流行時にも施行可能
- 鼻水が出ているときには不可能
- 費用が安い:レーザー手術に比べ2/3程度の費用。
- アルゴンプラズマ手術やレーザー手術に比べ効果が弱い
- 手術後の鼻水鼻詰まりは3日~7日程度で軽度
- 下鼻甲介だけをうまく焼灼(鼻中隔に薬剤をつけないように焼灼)するのに技術を要する
- 効果の持続は3~6か月程度
下鼻甲介粘膜下凝固
レーザー、アルゴンプラズマやトリクロール酢酸で効果があまりない方。
- 焼灼時にエアロゾルが出る:新型コロナ流行時には危険を伴う
- 鼻水が出ているときには不可能
- 費用が高い:アルゴンプラズマやトリクロール酢酸の約1.5倍の費用が掛かる
- 効果はアルゴンプラズマとトリクロール酢酸の中間くらい。
- 手術後の鼻水鼻詰まりは2週間程度つらい(特に最初の3日間鼻づまりが非常につらい)
- 効果の持続は6~24か月程度
トリクロール酢酸 | アルゴンプラズマ | レーザー手術 | |
---|---|---|---|
効果 | ○ | ◎ | ○~◎ |
手術時間 | ◎ | ◎ | △ |
術後のつらさ | ◎ | △ | ○~△ |
効果の持続 | △ | ○ | ○ |
費用 | ○ | ○ | × |
花粉症にお勧めの手術はトリクロール酢酸 >アルゴンプラズマ手術 >レーザー手術です。